音楽理論や楽譜を書く上での決まりごと(楽典)は苦手な方が多いですね。
かく言う私も、小学生の頃、この楽曲は、ハ長調(Key=C)かイ短調か(Key=Am)か答えなさい。という問題で、撃沈した記憶があります(笑)
今回は、リズムに関する用語「拍子」という言葉について解説していきます。
こんにちは!サヤカです
拍子の意味とは?
2拍子、3拍子、4拍子、5拍子など、楽譜を読まなくても、拍子という言葉は演奏する上では、使われることが多く、覚えておいて損はない単語です。
「拍子」というのは、一言で言うと【何拍で、リズムを1グループと感じるか】を表す言葉です。
例えば、視覚的に表すと、
◎ △ ◯ △ ◎ △ ◯ △
という記号を見たら、「◎ △ ◯ △」が2回繰り返されているということが分かりますね?
この場合は4つで1つのグループということです。
私たちは、強弱などで、リズムにグループを感じています。
※グルーヴじゃないですよ!(笑)
2拍1グループなら「2拍子」、4拍1グループなら「4拍子」と表します。
そして、4拍子であれば、4拍(ワンツースリーフォー)ごとに1小節という単位になります。
多くの人が躓きやすいのが、「4拍子1小節」と「2拍子2小節」では、【演奏の仕方】が異なるというところです。
拍とは?
「拍」という言葉をうまく理解できずに、この「何分の何拍子」の意味がわからなくなってしまう方が多いです。
私が昔、よく悩んでいたのが、「4分の4拍子」って言っても、8分音符が出てくるし、「何を基準に4拍子って言っているの?」というところです。
これは、ちょっと耳が痛い話ですが、「頭(視覚的)で音楽を理解しようとしすぎていること」が原因です。
例えば、ロックの8ビートと呼ばれる曲でも、基本的には、4つ足踏みしてリズムを感じていますね?「拍」というのは、音が鳴っている、鳴っていない関係なく、曲に息づく「脈拍」のようなものなのです。
頭や視覚的に理解しようとすればするほど、わけがわからなくなってしまいます。
音楽に身を任せて、体を動かせば、そこに答えはありますよ(^_-)-☆
4拍子の曲とは
わかりやすいのが、合唱コンクールの伴奏のピアノみたいなイメージです
▼旅立ちの日に
強・弱・中強・弱というような、リズムの繰り返しを感じることができますね。
必ずしも、このパターンで音が大きくなるというわけではありませんが、4つの拍で、グループを感じるものを「4拍子」と表します。
強弱の順番は違いますが、こんな伴奏でも「4のグループ」を感じることができますね
▼奏/スキマツイッチ
前後2拍ずつで「合いの手」になっているようなイメージです。
2拍子の曲とは?
さて、では「2拍子」は?
強・弱・強・弱・強・弱…というように、2拍で、グループを感じるリズムであること(そう演奏してほしいこと)を表しています。
ミッキーマウスマーチのようなマーチ(行進曲)などが2拍子系の音楽です。
まとめると、
1 2 3 4
どん つー たん つー
のように、
1、2の「どんつー」というコール(呼び掛け)に対して、3、4は「たんつー」というレスポンス(応答)をしているように感じるリズムが「4拍子」
1 2 1 2
どん つー どん つー
のように、続いていても、同じものを繰り返していると感じるリズムが「2拍子」となるということです。
「何拍子」が示す意味がわかってきましたか?
ぜひ、曲を聞きながら、感じてみてくださいね(^_-)–☆
4分の3拍子。「4分の」って何?
楽譜で書かれるリズム表記に「◯分の△拍子」という言葉がありますね。
最もメジャーな4分の4拍子(4/4)の他に、
4分の3拍子(3/4)
2分の2拍子(2/2)
8分の6拍子(6/8)
8分の12拍子(12/8)
などを見たことがあるのではないでしょうか?
さて、この分母に来る数字(右側の数字)はなにか?というお話です。
それは、楽譜で書くときに【1拍を◯分音符で書きます!】という指示です。
4分の4拍子であれば、1拍を4分音符で書きますね!という意味なので、小節の中に4分音符が4つ分入ることになります。
4分の3拍子であれば、1拍を4分音符で書きますね!という意味なので、小節の中に4分音符は3つ分しか入りません。
「4分音符」は、この「◯分の△」によって役割を指定された記号なのです。
「◯分の△」で楽譜(リズム譜)の書き方は、チューニングされている!とおぼえておきましょう。
「2分の2拍子」と「4分の4拍子」
2分の2拍子であれば、2分音符で1拍を書きますね!という意味なので、テンポが早い曲だと、楽譜では、8分音符で書かれていても、体感的な速度では、4分の4拍子のときの16分音符のように短く感じます。
例えば、2分音符=120(1分間に2分音符が120回)と書かれた楽譜であれば、4分音符は、倍の240回/分という速度です。テンポ240は鬼速ですよね(笑)
4分の4拍子でテンポ120のときの、8分音符が、倍の240回/分になるわけですから、2拍子の楽譜の4分音符に合わせて、メトロノームを鳴らしてしまうということは、4拍子の曲の8分音符に合わせて、メトロノームを鳴らしているのと同じになるということです。
ややこしいかもしれませんが、曲自体のテンポ(速さ)は、4拍子のテンポ120と体感的に同じになります。
2分音符=120なので、2分音符1個分の長さは60秒÷120個=0.5(秒/個)
4分音符=120も同様に、4分音符1個分の長さは60秒÷120個=0.5(秒/個)
2拍子は、拍を感じる(足踏みしたくなるポイント)が、1小節に2個ですから、2小節で、4拍。つまり、4拍子のときの1小節分の拍数になるわけですが、2拍子の場合は、「強・弱・強・弱」、4拍子のときは「強・弱・中強・弱」のように「リズムの感じ方」が変わります。
【リズムの感じ方】と【拍の数】を混ぜないように注意してくださいね!
「8分の6拍子」と「8分の12拍子」の違いは?〜複合拍子〜
さて、ここまでの説明だと、6/8(8分の6拍子)と12/8(8分の12拍子)がそれぞれ6拍子、12拍子ということになってしまいますね(笑)
分子が6、12のときは、少しルールが違います。(楽典的には、「複合拍子」と言います)
6、12のときは、「1拍が3分割(3連符)に感じるリズムですよ~」という隠れた指示が追加されます。
例えば、よくある8ビートの曲ならば、「1&2&3&4&(ワンエントゥエンスリーエンフォーエン)というようにカウントできますね。
※&=エン
それが
1 2 3 4
どつつ ぱつつ たつつ ぱつつ
というように、1拍を3分割でとるのが、基本のリズムの場合は、
3分割×4拍子=「12」となり、
12/8の「12」の数字はここから来ています。つまり、
4拍子なんだけど、1拍は基本、3連符で感じてね!
という追加ルールを表しているのです。
楽譜は「スッキリ読みやすい」が良い
音符は、長さを倍にしたり(4分音符×2=2分音符)、半分にしたりする記号しかないので(4分音符÷2=8分音符)、いちいち「ここ3連符です!」と書くとなると、譜面にたくさん「3」という数字を書き込まなければ、いけなくなってしまうのです。
だったら、もう譜面のはじめに、「12/8」って書くことで、この譜面のルールを、「3って書くの面倒だから書かないけど、8分音符が3つで1拍ってことにするね!」
という風に指示して変えちゃえ!ということなんですね。
8分の6拍子は「2拍子」の音楽
「2拍子」バージョンは
1 2 |1 2 |
どつつ ぱつつ|どつつ ぱつつ|
という感じです。
3分割×2拍子=「6」で、
「8分の6拍子」は、「2拍子」で「1拍は3分割する(3連符で感じる)リズム」となります。
つまり、「8分の6拍子」は「2拍子の仲間」、[8分の12拍子]は[4拍子の仲間]ということになりますね。
ちなみに、3拍子が1拍3分割ならば、1拍3分割×3拍子=9で「9/8」となります。
実際に聞いてみよう!6/8と12/8の曲
▼When a man loves a woman
▼Have you ever loved a woman
※似たような曲名ですが別の曲ですよ(笑)
どちらが6/8で、どちらが12/8か分かりましたか?
答えは、
「When a man loves a woman(上)」が「6/8」
「Have you ever loved a woman(下)」が「12/8」です。
知識だけでなく、実際の楽曲を参考に覚えていきましょう(^_-)-☆