セカンダリー・ドミナントとは?〜使用例「やさしさに包まれたなら」を解説!〜

 

1曲の基本骨格となっているのは「ダイアトニック・コード」と呼ばれる7つのコードですが、ポップス、ロックなど現在の曲を理解したい!と思うのであれば、今回の「セカンダリー・ドミナント」を押さえておきましょう。

 

こんにちは!サヤカです

 

吸引力が上がるワザ!!セカンダリー・ドミナント

ぐっと高まる(緊張感を出す)ワザで、割とどの曲でも高頻度で出てきます。サウンドの特徴を覚えて、ぜひいつもの曲の中で見つけてみてください

 

セカンダリー・ドミナントを理解するために知っておきたい前知識

中級編の理論の話なので、

1:ダイアトニック・コード

2:ツー・ファイブ

この2つを理解していると、今回の話が、より楽しめると思います(^^)

 

なんでもセブンス!

セカンダリー・ドミナントは、二次ドミナントともいいます。んー、どっちも、難しそうな響きですね^^;名前は好きな方で覚えておきましょう。

 

やっていることはカンタンで、ダイアトニック・コードを「ドミナント・セブンス」に変える、つまり「なんでもセブンス」にしちゃえ!というコード理論です。

例えば、キーがCのときに、CをC7に。EmをE7に。といった具合に変えることができます。

 

次は、「ドミナント・セブンス」に変えると、何が起こるのか?を解説しましょう。

 

「Ⅴ7→Ⅰ」は力強い進行

ツー・ファイブ」で詳しく解説していますが、「Ⅴ7→Ⅰ」に当てはまるコード進行は、特に、力強く進むサウンドです。

「力強く進む」という意味は、不安定感が強く、次のコードに進まないと、落ち着かないよ(T_T)!という感覚が強いサウンドだということです

 

ダイアトニック・コードでは、「G7→C」というコード進行が当てはまります。

この理屈で、他にも盛り上がりどころを作ろう!というのが、セカンダリー・ドミナントの考え方です

 

セカンダリー・ドミナントと呼ぶ条件

セカンダリー・ドミナントと、呼ぶ時の条件は、2つ。

1:ダイアトニック・スケール上にルートがあること

ダイアトニック・スケールというのは、メジャー・スケールのことです。

 

キーがCのときは、「C・Dm・Em・F・G・Am・Bdim」が候補になるわけですが、「G」は、もともとダイアトニック・コードで「ドミナント・セブンス」になるコードなので、セカンダリー・ドミナントとは呼ばないですね

 

2:完全5度下(完全4度上)のダイアトニック・コードに解決する

「完全5度下」というのは、音程を指す言葉ですね。

 

この言葉が苦手な人多いですが、イメージとしては「すごろく」で、現在地から何マス進むか戻るかを指定するようなものに似ています。

 

「完全5度下」というのは「ソ→ド」の距離で、ギターのフレットで言うと7フレット分です。

「5度」のような表現を「度数」といいますが、これはメジャー・スケールがもとになっています。

「ファ→シ」は、減5度下という関係なので、ダイアトニック・コードの「F」はセカンダリー・ドミナントにすることができません。

 

なので、残った5つC・Dm・Em・Am・Bdimが、ドミナント・セブンスになって登場したら、それは、セカンダリー・ドミナントだということです。

 

 

音の距離が見やすいように1本の弦で表してきましたが、実際はコードとして、使うことが多いので、5〜6弦の関係も覚えておくと役立ちます。このようにギザギザ動きます。

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使用例〜やさしさに包まれたなら〜

理屈はともかく、実際にどう使われているのかを耳で判断できることが大切です。

 

今回はユーミンの「やさしさに包まれたなら」を題材に解説していきましょう。ジブリ映画の「魔女の宅急便」のエンディングテーマとして使われていましたね。

 

「大人になっても奇跡は起こるよ」という歌詞の部分です。「起こるよ」の「よ」で、すごく物悲しい雰囲気に変わりますね。この部分のコード進行を見てみましょう。

 

 

わかりやすくするために、キーCで書いています。

「E7→Am」となっていますね。これが、セカンダリー・ドミナントです。

 

つまり、メジャー・スケール以外の音がここで入ってくるわけですが、(E7はミ・ソ#・シ)ちょうど、このメジャー・スケールから外れた「ソ#」の音程が「起こるよ」の「よ」の音程になっています。

なので、少し異質な感じを醸し出しています。

 

Aメロでは、明るい感じで始まるのに対し、ここで、暗雲が立ち込める…というように、不安を感じますね

 

「やさしさに包まれたなら」は、この部分以外にも解説したいところがいっぱいな面白いコード進行です!全体を通して、明るさ、暗さ、不安、寂しさなど、いろんな感情が聞こえてきます。まさに、映画「魔女の宅急便」にぴったりな曲ですね

 

さて、セカンダリー・ドミナントは元のダイアトニック・コードとも、あまり構成音が変わらないコードなので、そこまで強く外れた感じがしないのが特徴です。色んな曲に登場するので、ぜひ探してみてくださいね!

 

コード理論まとめ

 

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